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Everything But The Girl

The Language of Life

今朝は早くから透明な陽射しがが眩しかった。
一年の中で、ほんの数日だけ訪れる懐かしい夏を感じた。
Everything But The Girl の「The Language of Life」を聞きながら車を運転していた。
1990年リリースのこのアルバムは、不思議なことに現在に至るまで常に同じ湿度や同じ香り、そして同じ肌触りで流れる。
いわゆるポップスとかロックとかにカテゴライズされる音楽で、これだけ長きに渡って日常の中で存在感を失わなかったアルバムは珍しい。
なんとなく、それぞれの季節の中で、1度は身をゆだねたくなるアルバムであり続けた。(他には Rickie Lee Jones の「Pirates」と Bill Labounty のファーストくらいか。)

The Language of Life


このアルバムには Everything But The Girl がネオ・アコースティックからエレクトロニカへの変遷の中で、たった一瞬だけ辿り着き、一瞬で通り過ぎた奇跡が収録されている。
プロデュースは Tommy Lipuma、もちろんエンジニアは Al Schmitt だ。
Dave Grusin と Larry Rosen、Quincy Jones と Bruce Swedien 等と並び賞される名チームである。
通算5作目にして初のLA録音を敢行し、いわゆる Jazz / Fusion 界の大物ミュージシャン達の参加により、洗練されたアダルト感覚溢れるサウンドを聴かせる。
Tommy Lipuma のプロデュースによるLA王道サウンドが、ベン・ワットとトレーシー・ソーンの英国的潤いを醸し出す歌声と絶妙にブレンドする。
歌詞が描き出しているのは、人生の苦渋を知った大人の男女の心模様。
ともすれば切なさで重くなる世界を、LAの爽やかな風が優しく溜息に変える。
それが人生だ、と。
諦めが強さになることもあるのだ、と。

アレンジには、Larry Williams や Jerry Hey が参加。もちろんホーン・セクションでも活躍する。
ドラムは Omar Hakim 。絶妙なグルーブ感をハイハット・ワークだけで表現してしまうドラミングは鳥肌もの。Vinnie Colaiuta も1曲だけ叩いている。
ベースは、なんと John Patitucci。
キーボードには Yellowjackets の Russell Ferrante。
ギターには懐かしの Maichael Landau がいぶし銀のプレイを繰り広げている。
加えて、Michael Brecker や Joe Sample という大御所がサウンドを彩る。
ラスト曲では、なんと Stan Getz のテナーサックスが静かに歌う。これが実に泣ける。

このアルバム、とても好きです。
今から17年も前に作られた音楽だとは思えない普遍性を感じる。
17年前と同じ夏の日が訪れるかのような錯覚。
だけど Everything But The Girl が、決してこのアルバムに戻れることが無いように、僕達もあの夏の日には戻れない。
だからこそ、あの奇跡のような日々が輝き続けるのかもしれない。

ま、私としては Jazz や Fusion 以外のアルバムに対して所感を書くのも珍しいかな、と。

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