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2008年2月

ルーツ的なもの その4 [ 矢作俊彦 ]

ルーツ的なもの その4

確かに村上春樹には共感した。
でも、矢作俊彦。
辻邦生でもなく、もちろん埴谷雄高でもなく、矢作俊彦。


あの時代、ロックがそうであったように、矢作俊彦も「生き方」だった。
「生き方」という表現が大袈裟であれば、背伸びした若僧が世の中に対峙するスタンスだったと形容しても良いだろう。

三島由紀夫文学賞を受賞した「ららら科學の子」や、大友克洋とのコラボレーションで話題を呼んだ「気分はもう戦争」等は別として、1978年の「マイクハマーへ伝言」は衝撃だった。
雨の首都高横羽根線、見事なカットバックで描かれた DOHC 3.2リッター DATSUN とのカーチェイスは、小説の枠を軽く飛び越えて映像美すら感じられた。
乾いた退廃を漂わせながら、5人の若者の刹那的なアイディンティティすら吹き飛ばしていく圧倒的な疾走感に鳥肌がたった。
そこには、先の見えない諦めの前でも一瞬燃え上がる命の輝きが見えた。
時速120マイルで駆け抜けるほんの数分の中に、予想を超える濃密な物語が展開し凝縮される。
スタイリッシュな文章と類い希な比喩表現、そして日本的湿度を適度に加味した等身大のハードボイルド。私にとっての矢作俊彦の出現は、退屈な純文学が道を開けた衝撃であり、もはや事件だった。

Mike

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JUNO-D Limited Edition

JUNO-D LE 感想

サポート・メンバーも決まり、バンドがライブ活動を開始しそうな雰囲気になったので、ステージやリハで使う為のキーボードを購入。
目的がライブなので、シーケンサーとかの余計な機能は必要とせず、音色のエディットも最低限のパラメータで十分。
あくまでもステージ上での使い勝手の良さと可搬性を重視。
この用途なら、現在のテクノロジー・ベースを考えると廉価なモデルで十分だろうという推測で。

Juno D LE

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ルーツ的なもの その3 [ Keith Jarrett : The Koln Concert ]

ルーツ的なもの その3

ご多分に漏れず Keith Jarrett には打たれた。
もう30年以上も昔の話だ。
まだ世間知らずの若造を、音楽という文化や芸術の在り方に対する根源的な問いに対峙させた体験。
ECMの誇る名盤「The Koln Concert(ケルン・コンサート)」である。


Koln Concert


キース・ジャレット、たぶんピアノ弾きなら誰でもが通る熱病のようなものかもしれない。
あいにくこちとらギター弾きである。
楽器の枠ではなく、いきなり音楽の在り方という深遠な部分に対峙しちゃったわけで、これはキツかったわ。

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