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Fender USA Super Champ XD Amplifier

話題のギターアンプ Fender Super Champ XD を入手した。


Fender USA の Vintage Modified シリーズとして2007年10月にリリースされ、米国でも半年ほどは入手困難が続いた人気のギター・アンプ。
現在でも日本国内正規品(100V仕様)の流通は少なく、もちろん中古市場にはほとんど流れていない。

このアンプ、15Wという出力の小型のアンプだが、12AX7A管×1本、6V6管×2本を搭載したれっきとしたチューブ・アンプ。
クリーンとドライブの2チャンネル仕様で、ドライブ・チャンネルではデジタル・モデリングされた16種類のアンプ・モデルが選択できる。
加えて、デジタル・エフェクトもスプリング・リバーブからディレイ、コーラスまで定番の FX を16種類を搭載。

往年の Super Champ の「小型ながら高品質で練習からセッションまで使い勝手の良いアンプ」というコンセプトを継承しながら最新のテクノロジーを盛り込んだアンプである。

Fender USA Super Champ XD



とにかく、そのコスト・パフォーマンスは驚異的。

Fender USA Super Champ XD Back


ちなみに、現時点で Fender USA の Official Web サイト上のSoundbite ページから、このアンプの音色が確認できる(狙いは分かるが、ちょっと極端すぎるセッティングばかり)。


当方、メインアンプとして、同じく Fender USA の Hot Rod Deluxe を所有している。
これも、ここ数年では Fender USA の最大のヒット商品。
Fender 伝統の艶やかなクリーン・トーンと多様なドライブ・サウンドを、圧倒的な音圧で聞かせる。
12AX7管×3本と6L6管×2本から出力されるパワフルなサウンドは、現代音楽シーンのニーズに対して Fenderのビンテージ・トーンをどのようにモデファイし、主張するかの正しい回答だろう。
実際に使用してみて、これ素晴らしいアンプだと思う。
これだけで、あらゆる状況に対応できる柔軟さと、底力を秘めている。

Fender USA Hot Rod Deluxe


で、Hot Rod Deluxe の唯一最大の欠点は、とにかく音がでかいという事。
40Wという出力ながら、チューブ・アンプの音圧は凄まじく、リハーサル・スタジオでもボリューム2が限界。
200人規模のホールでも、ボリューム3を超すと、エンジニアに「アンプの音がちょっと大きいようですが」と言われる。
当然ながら、自宅での練習には隣近所ばかりか自治会全体を敵にまわす覚悟がないと使用できない。
こちとら、まっとうな社会人なので、それは無理。

チューブ・アンプの一番美味しい音色って、やはり、ある程度はボリュームを上げて適度に真空管に負荷をかけた時。
スピーカーにしても、許容入力範囲の上のほうの音量で、コーンがしっかり振動した時が、そのスピーカー本来のサウンドになる。
その意味で、Hot Rod Deluxe の本来の良さを引き出させるシチュエーションって、なかなか少ないわけね。


というわけで、もう少し小型で、柔軟に使い回しができるアンプを入手しようと考えた時に、Super Champ XD に至ったというわけ。
Super Champ XD も、15Wという出力ながら、100人程度のライブハウスなら十分に対応できる音量を叩き出す。
でもまあ、ボリューム2程度なら、自宅でも家族を敵にまわすくらいの覚悟があれば使える。

そして、笑えるほど音が良い。
このクラスで、あの Fender のクリーン・トーンが出るのには驚く。
イメージ的には 20万円台のアンプの音色だ。
巷では、スピーカーをエミネンスとかに変えると更に良くなるとか言われているが、自分的にはこれで十分。

それに、初めから期待もしていなかったし眼中にも無かったアンプ・モデリング機能に見事に裏切られる。
これ、あっけにとられるほど、実に使える。
出音からデジタル・アンプ・シミュレータというニュアンスがほとんど感じられない。
初期のTweed Champ から、Tweed Bassman、Fender Blackface といった歴史的な名アンプのモデリングから、Hot Rod シリーズまで、自社の代表的なアンプの特徴的なサウンドをモデリングしてあって、これが実に良いサウンドなのだ。
加えて、Marshall 系のブリティッシュ・サウンドや、現代的なハイ・ゲイン・アンプのリード・サウンドまで、多彩なモデリングが搭載されていて、どれもしっかりとリアルなアンプの音がするのだから驚く。
Tweed Bassman の太く芯のあるクランチ・サウンドなど、弾いていて時間を忘れるほどの気持ち良さだった。

又、デジタル・エフェクトも、飛び道具的で使い道の無いセッティングではなく、さりげなく普通に使えるのが嬉しい。
まあ、実際はリバーブ、もしくはリバーブとコーラスの組み合わせ程度しか使わないはずだから必要十分である。


恐るべし Super Champ XD!
11Kg という軽さも老体に優しく、どこでへも持ち運ぶ気持ちになれる。
なんたって国内正規代理店の定価で48,300円だからね。
アッセンブリを中国で行うことによって、圧倒的な低価格を実現している。
実売価格で3万円台後半という驚愕のドンキホーテ状態。


このクラスでは、Hughes & Kettner Edition Blue 15DFX とかも世間の話題を盛り上げているが、当方、なんとなく昔から Fender 系のアンプを使い続けているわけで。
だいたい、我々が楽器をはじめた30年以上前は、ギターアンプとい言えば Fender か Marshall しか無かったような気がする。


はじめて買ったアンプは Peavey の練習用アンプだったが、すぐに当時の学生の身分としては分不相応な、Music Man 112RP という、たしか100Wのチューブ・アンプを購入した。
レオ・フェンダーが Fender 社を離れ、自身の理想を追求し世に出した名アンプで、エリック・クラプトンをはじめ当時の多くのプレイヤ-が愛用した。
プリアンプ部がソリッドステート、パワー部にチューブを採用した元祖ハイブリッドアンプ。
「ソリッドステートのレンジの広さ」と「真空管による倍音豊かなアコースティック感」を合わせ持った素晴らしいサウンドで、ホットなクリーンサウンドが魅力だった。
このアンプ、とにかく使いまくったなあ。
今では考えられないほど酷使した記憶がある。
雨の中や、炎天下、サスのヘタった機材車の過激な振動、スタッフ達の乱暴な取扱い、ありとあらゆる劣悪な環境下で使い続けた。
それでも1度も壊れなかったのは、今考えると信じられない頑強さだった。
最後は、あのアンプの歴史的な価値も考えずに、二束三文で叩き売ったのが悔やまれる。

Music Man 112RP-100



Fender 系以外では、もはやソリッドステート・アンプのディファクト・スタンダードとしての地位を確立した Roland JC-120 もずいぶん使った。
だって、どこに行っても、必ず置いてあるんだもん。
どこにあっても、どんな状態でも、どんなに古くても、JC-120 は JC-120 の音を出してくれる。
知らないハコの機材だけで演奏する時でも「ジャズコー(Jazz Chorus)ありますか?」って事前に確認しておけば、大抵は大丈夫というのも考えてみれば凄い事。
それほど現場に普及しているアンプというのは他に無い。
1975年に発売されてから、ほとんど変わらずに30年以上も現役で必要とされている歴史的なアンプだからね、
とにかく、無色透明、空気のような安定感と安心感は、JC-120 の独壇場だわな。
独特だけど気持ちの良いコンプレッション感と、後に CE-1 として伝説を作った美しいコーラス・サウンドの魅力も捨てがたい。


そういえば、これもけっこう昔に自宅練習用として買った Fender Japan の Sodekick 15RX という、玩具みたいな超小型アンプもある。
Fender Japan 発足当時で、会社の意気込みが感じられた製品だった。
Made In Japan の品質の高さは、20年近く経過した現在も、何のトラブルも無く音が鳴る事が何よりの証明。
これ、もちろん実戦で使えるアンプでは無いが、小音量で Jazz を演奏する程度であれば、ちょっとした余興には十分な音量と音色を出す。
このクラスでは驚きの3ボリューム、しかも3トーン、なんとミッド・イコライザーはアクティブ・タイプでブーストも可能、更に夜間練習に便利なアッテネータ・スイッチまで搭載。
加えて、本物のスプリング・リバーブの効きも良い。
ここまで来ると、単なる玩具の域を超えて、あの時代の Fender Japan の意地すら感じるね。

Fender Japan Sidekick 15RX



そんなわけで、今回入手した Super Champ XD を含め、現時点で我が家には3台の Fender アンプがある。
ストラト弾きとしては、ま、これで正しいかもね。


とにかくだ、貴方がギターを弾いていて、持ち運び可能な安い小型アンプを買おうと考えているとしたらだ、今すぐ4万円持って楽器屋に走りなさい。
Fender USA Super Champ XD は、絶対に期待を裏切らないはずだ。

もしくは、貴方がこれからギターをはじめようと考えていて、とにかく最初は安く一通りの機材を揃えようと考えているとしたら、騙されたと思ってギターアンプは Super Champ XD にしなさい。


余談だが、エレキ・ギターの練習って、特に初心者のうちはアンプから音を出して練習しないと、とんでもないことになるよ。
エレキ・ギターを弾くために絶対に必要な「ミュート」の技術がスッポリと抜け落ちる。
エレキ・ギターを弾いていると、解放弦の共鳴や、フレット・ノイズ、ピッキング・ノイズ等、もちろんミス・トーンも含めて実に様々なノイズをアンプが増幅してしまう。
これを、ミュートするテクニックって、もう体で会得するしか方法が無いと断言できる。
しかもミュートの手法って、それだけを身につけようと考えて、個別に練習できるテクニックでは無い。
普段のギターを弾く練習の中で、自然と身に付く技術なので、これが欠落してしまうと後からでは絶対に修正不可能。
アンプから音を出さないで、カラでエレキ・ギターの練習をしていると、前述のようなノイズが気にならないからミュートという行為を意識する事が無くなってしまう。
この状態で上達を続けていってしまうと、取り返しのつかない状態になる事は必至。
嘘では無い、私自身が証明です。

ま、そんな意味でも、お手軽に本物のアンプ・サウンドが出る Fender Super Champ XD は「買い」かと。


それとね、小型のアンプをステージで使う時には、アンプ・スタンドがあると便利ですよ。
これ、盲点だけど、アンプ・スタンドの効果って絶大です。
小型であればあるほど、アンプが足元で鳴ってしまうので、自分のギターの音のモニタが困難になる。
だけど、アンプ・スタンドでスピーカーに角度を付けてやれば、バンド・サウンドの中でも、アンプからの出音が直接モニタできて格段にプレイしやすくなる。
それに、アンプを床にベッタリ置くよりも、低域がクリアにシマり、音色がブーミーになりにくいのも利点。
アンプ・スタンドの種類って、あまり多くは無いけれど、やはりこの手の「楽器のスタンド類」は Ultimate 社製にトドメをさすだろう。
Ultimate 社製なら、どんなスタンドでも機能的だし、洗練されていてお洒落だし、小型で持ち運びしやすいし、信頼性も十分。

当方は Ultimate AMP-150 を使用している。
スタンドの上部にマイク用のアームまで付けられる機能的なアンプ・スタンドだ。

Ultimate Amp-150

Ultimate Amp-150-2


このアンプ・スタンド、心配なくらい小型だけど、実は35Kg以上の耐荷重を誇る。
なんと、数値的には、あの JC-120 まで乗ってしまうという驚きの強度。
まあ、JC を乗せるこたあ無いと思うが、Super Champ XD をライブ・ステージで使用するとしたら、必需品になるだろうね。
ちなみに 20Kg 超えの Hot Rod Deluxe を乗せてライブをしたが、対荷重的に不安な印象は全く無く、ステージ上でも安定していた。
しかしながら、ただでさえ馬鹿でかい Hot Rod Deluxe の出音が更に大きく感じられて、逆にバンド全体のサウンドがモニタしずらくなった事は言うまでもない。

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コメント

コメントありがとうございました。
最近 Blog も更新が滞り、放置状態の様相を呈しているのですが、書きたいことはあるのでボチボチと続けて行こうと思います。
このごろの当方は、Fender系のアンプから、ちょっとハイゲイン系に移行しつつあります。
今は Hughes & Kettner がお気に入りかな。

このブログのRSS表示を含めて Official Web Site を Facebook Page に移行しているところです。
よろしければ、一度のぞいてやって下さいませ。

では。

http://www.facebook.com/pages/Tokyo-Fusion-Night/234806656560774

http://www.facebook.com/tokyofusionnight

始めまして!最近アンプスタンド(まさにUltimateのこれ)を購入し 何気に検索していてこちらへやって来ました。 私も現在「Super Champ xd」を愛用しており、ほーと読んで行くとあらあら良く似た変遷が・・私も過去に「112RP」を所有、今もって同じく二束三文で手放した事を後悔(当時はアンプを使い切った音作りが出来なかった、マルチエフェクターに翻弄されアンプの重要性が分かってなかった・・若かったんです、嗚呼・・) その後は暫くマイアンプ無しが続いていたのですがやがて「やっぱチューブアンプ要るわ!」と「Blues Jr.」を購入、アンプ直の魅力に傾倒していったのですが、バンドの楽曲的にちょっと器用さが必要になり「Super Champ xd」にたどりついたのです。 xdの感想は本文の通りですね!全く同感です、(あれでVoiceとモジュレーションのチャンネル切り替えがフットSWで出来れば完璧ですが) これは永く使えますね、おまけに「sidekick 15」も借りパチで暫く持っていました(ガリが酷くて使えませんでしたが) そんな感じで遍歴や112RPへの郷愁、Super Champ xdへの感想にとても共感し 散文ですがコメントしてしまいました 今回のアンプスタンドも効果ありそうで楽しみです! ではまた 散文乱文お許し下さいませ。

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