« KORG X50 の優位性 | トップページ | 新 Mac Pro 購入と、音楽制作環境アップデート »

Amplitube Fender ファースト・インプレッション

IK Multimedia 社の「Amplitube 2」のラインナップに新しく加わった「Amplitube Fender」。
Fender 社との正式なライセンス契約のもとで共同開発された文字通り Fender アンプのモデリング・パック。


Amplitube Fender


以下の12種類のアンプとキャビネットが含まれる。
どれも Fender を代表する名アンプ。

1959 Bassman LTD
1965 Twin Reverb
1957 Deluxe
1965 Deluxe Reverb
1964 Vibroverb Custom
Vibro-King Custom
Champion 600
Super-Sonic
MH-500 Metalhead
Pro Junior
Bassman 300
TBP-1 Bass Preamp



今年の Winter NAMM でいきなり発表された「Amplitube Fender」は、Fender アンプ好きの私にとって、まさに「事件」的なアプリケーション。
なんせ、これだけの Fender アンプが手に入るわけで。

Fender Amps.



ちょっと前に IK Multimedia 社から、プリオーダー・ディスカウントのプロモーション・コードがメールで贈られてきていた。
一昨日、本家 IK Multimedia 社の Web Site でダウンロード販売が開始された。
日本の輸入代理店の Media Integration での取り扱い時期は、まだアナウンスされていない。
40ユーロのディスカウントに円高差益を考慮すると、本家サイトからの直接購入が BEST と判断。
で、昨晩 130ユーロで購入。日本での販売価格より確実に1万円以上は安い。

デジタル・デリバリーなので、購入後数分で入手。便利な時代だ。
早々にインストールして起動。
ストラトをプラグイン。

そこから時間を忘れて、気が付いたら4時間もギターを弾きまくっていた私。
一息付いて我にかえったら既に深夜。就寝予定時間を大幅に過ぎていた。

文句なく気に入りました。
Fender アンプの特徴的なサウンドを見事に再現している。
ギターを弾いていて気持が良い。
王道の Twin Reverb のキラキラしたプレゼンス、Deluxe Reverb のジャリっとしたクランチ。
Vibro-King の風に舞うような細さ、Super Sonic の潰れた歪み。
どのアンプもデフォルトでの使い悪ささえも再現されていて、自分的にはかなり楽しい。
逆に今時のモダンなアンプで育った若い世代には使いこなせないかもしれないほど。
Fender 独特の高域を手なずけるには、それなりの経験値が必要。
その経験値がそのまま生かせるという意味でも「Amplitube Fender」は素晴らしい。

Amplitube Fender Twin Reverb


例えばいい歳をしたギタリストなら Fender Twin Reverb を使ったことが無いなんて有り得ないはず。
Twin Reverb の個性や、サウンドの醸し出す雰囲気や、その存在意義まで含めて、体に染みついているギタリストは多いだろう。
スタジオの中やステージの上を流れて行った時代の匂いみたいなものまで感じさせてしまうほどの歴史的なアンプだから。
で、その感覚と対峙しても違和感無く使えるところに 「Amplitube Fender」の凄さがある。


そして、なんと言っても、1959年の「Bassman」!
昨晩は、これにハマった。
やっぱいいわー、Bassman。
ギター・アンプの歴史はこのアンプから始まったと言っても良いほどの名アンプ。
ギラギラとした高音、独特の粘り、芯の太さ、コントロール・レンジの広さ。
70年代ロックの荒々しさに、そこはかとなく郷愁すら感じられる。

Amplitube Fender Bassman


Amplitube Fender Bassman Cab.


例えば、ロックでもポップスでも、コンテンポラリーな楽曲のオケの中に馴染むかという側面では、微妙なことは認める。
自分が作る曲でさえ、まあ、このサウンドを必要とする局面は少ないかもしれない。
だが、ギタリストとしてギターを弾く時の気持の良さは筆舌に尽くしがたいものがある。
ストラトのリア・ピックアップはこのアンプの為にあるとまで感じる高域の太さ、タッチに追従する粘り、自然に変化する歪み。
ストラト弾きにとっては麻薬的なアンプだ。
もちろん、Amplitube 上では、Fender 伝統のリバーブも使えるし、コンプレッションの度合いも好みに応じて変えられる。
この Bassman のモデリングだけも、今回の「Amplitube Fender」は買いだ。


もし貴方がこのアプリケーションを手に入れて、その高域だけが耳に付くペラペラとした細いサウンドに落胆したとしたら、とにかくキャビネットをスタックしてみてほしい。
単にキャビネットを2台使うことだけで、全てのアンプのサウンドが生まれ変わるのだ。
サウンドの重心がミッドに寄り、てっとり早く「使える音」になるのだ。
これは実機でも同じ。
もちろん Amplitube なら、キャビネットの種類も組合せ自由だし、マイクも新旧の定番モデルから自由に選択できる。

特筆するのは Fender アンプの独特のコンプ感を、ラック・マウントのエフェクターとして取りだしてある部分。
実はこのコンプが素晴らしい。
「Amplitube Fender」に含まれるどのアンプを使ったとしても、とにかくこのコンプだけはインサートしておくことを薦める。
このコンプレッサーの自然なコンプ感は最高だ。
実際にギターを弾いても夢心地になれる。
コンプレッションの効き具合も4段階に設定でき、例えば Bassman などは、最大のコンプレッションに設定すると雰囲気が出る。

Amplitube Fender Effect Rack



Reverb もペダル・エフェクトとして抽出されていて使い勝手が良い。
音はモロに Fender サウンド。
良くも悪くも「あの音」が出ます。
スプリングがそこで振動しているようなリアルさ、デジタル・リバーブに慣れた耳に受けるチープな印象までクリソツ。
我々の年代だと遠い昔の学生時代を思い出す懐かしい響きだ。
放課後の教室を吹き抜ける風、校庭から聞こえる運動部のかけ声、校舎の窓から入りこむオレンジの夕陽、金色に輝く女子のうぶ毛、手に余るほどの未来。
そんなリバーブ。
まあ、今の時代、普通の曲で弾くギターにこのリバーブをメインに使うこたあ無いとは思うが、例えばサーフ・ロックとかでテケテケやるには今だに最高。

とにかくだ、この「Amplitube Fender」、私の為に開発されたのではと思えるほどツボに入ったアプリケーションだった。
ある程度は Fender アンプのクセとか特性を理解していないと、なかなか思ったようなサウンドを作れないという側面はある。
だが、そこまで深く追求できるという意味で「Amplitube Fender」の可能性は広大だ。
歴代の名アンプをラインナップした学術的な価値さえあるかもしれない。


ストラトとかテレキャスとかなら、こういう音で弾くのが正しい、という確信を得られる。
ひょっとしたら、エレキ・ギターを弾く自分のスタンスさえ考えなおさせるかもしれない。
ちまちまと1人でスケールを弾いたり、スイープとかタッピングとかを練習したりしてないで、ガッツのある本当のギターを弾こうぜ、という気持ちになる。

外に出ろ、風に吹かれろ、日差しに飛び込め、雨に打たれろ。
そして恋をしろ、人を愛せ。
笑え、泣け、怒れ。
自分の足で立ち、そして前に進め!
音楽が心から湧き出たら、ネックを握れ!ギターをかき鳴らせ!
Fender のギター・アンプには、そんなことを教えてくれるパワーがある。

当分は、「Amplitube Fender」で遊べそうだ。

« KORG X50 の優位性 | トップページ | 新 Mac Pro 購入と、音楽制作環境アップデート »

Equipments」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/521702/44366691

この記事へのトラックバック一覧です: Amplitube Fender ファースト・インプレッション:

« KORG X50 の優位性 | トップページ | 新 Mac Pro 購入と、音楽制作環境アップデート »