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新 Mac Pro 購入と、音楽制作環境アップデート

今年の年末くらいまでは PowerMac G5 2GHz Dual を使うつもりだった。
秋には出ると言われている Apple の次期 OS「Snow Leopard」。
当然ながら 新 OS のリリースに併せて Macintosh のラインナップも一新されるはず。
そこが Intel Mac への移行のタイミングと計画していた。


ところが、前のエントリーにも書いたように、いきなり PowerMac が壊れた。
症状は明らかに電源部の不具合だが、ロジックボードが原因という可能性も残る。
Apple で修理すると一律 51,450円。
Apple 指定の サービス・プロパイダでの修理だと、電源部交換で約3万円、ロジックボードも交換になると10万円を超える。


今更 5万円を超える修理費用を払ってまで G5 Macintosh を延命させる意味は無い。
で、仕方無く、新しい Mac を購入することに。


Mac Pro 1


3月3日に、いきなり Apple が Mac Pro の新モデルを発売し、業界は大騒ぎ。
当方の PowerMac が昇天した数日後の出来事。
なんという奇遇な巡り合わせ。
ストレージや周辺機器等を考慮し、プロフェッショナルな音楽制作に耐え得る Macintosh となると、現行モデルでは最上位機種となる Mac Pro しかあり得ないわけで。

Mac Pro 2


この不況の中、予定外の40万円弱の出費は痛い。
だいたい、パソコンというカテゴリーでも、今どき10万円以下でソコソコ使える機種がゴロゴロしているわけで。
生きていく為に必要不可欠な費用で無ければ、この時期に支払う必然性は無い。
結論としては、「生きていく為に必要不可欠」と。
それは明白な事実。
で、Mac Pro 発表の正にその日の朝に数秒で判断し 数分後には Apple に発注。
結果的に、ファースト・ロットで香港から空輸され、初日に国内配送された、最初の New Mac Pro を入手した数少ない日本人の1人になった。


この Early 2009 Mac Pro の売りは、 Intel の最新 CPU「Nehalem」の搭載。


Nehalem

Apple との間でどういうやりとりがあったのかは分からないが、Intel の正式リリースの前に、いきなり 新 Mac Pro に搭載され世に出てしまった。
各コアでの2つのスレッドの同時実行を可能にする Hyper Threading と、CPU の稼働状況に応じて自動的にクロックアップする Turbo Boost という、2つの最新のテクノロジーを実現した次世代 CPU だ。
加えて I/O コントローラを介さずにメモリアクセスを可能にし、メモリ・スループットのボトルネックも解消している。
標準の 8コア・モデルを選定。
リアルタイム演算を必要とする音楽制作に携わっていなければ、個人で購入するようなコンピュータでは無い。
もともと、Intel も ワークステーション向けの CPU と位置付けて開発していた。
デザイン、写真、音楽、技術系シュミレーション、いずれの業界でもプロの現場の最前線で力を発揮するマシンだ。


ただし、現行の Mac OS Leopard は「Nehalem」の潜在的なパワーの一部しか引き出せていない。
当然ながら、ほとんどのアプリケーションも「Nehalem」の機能を積極的に活用する設計は為されていない。
その結果、様々なベンチマーク・テストでは旧モデルとの性能差があまり感じられず、いろいろと物議を巻き起こしているのも事実。
Mac Pro の旧モデルと比較した場合、かなりクロックダウンされており、マルチコアを有効活用できないアプリでは確かに処理能力が劣る。

しかし、私の旧 PowerMac と比較したらそのパワーは雲泥の差。
思わず笑みがこぼれるほどのスピードを体感できた。
Cubase で VST インストルメントを多用したり 重い PlugIn を使っても、CPU 負荷を気にしなくても済むのが嬉しい。
「Nehalem」の Hyper Threading テクノロジーで、Macからは CPU が16コアと認識されるのだが、16本のスレッドが立つアクティビティ・メーターは確かに壮観だ。


CPU



Screen Shot

今年中にはリリースされる次期 Mac OS「Snow Leopard」に組み込まれる新しいテクノロジー「Grand Central」によってマルチコアへの対応がさらに進化する。
複数コアと複数プロセッサへのタスク割り当てが最適化されれば「Neharem」の優位性は揺るぎないものになるだろう。


内蔵 HDD は SATA の 640G が搭載されていたが、その他に HDD スロットが3つ空いていた。


Mac Pro 3

そこで旧 PowerMac に増設していた 500G の HDD を乗せ、更に 手元にあった 250G と 新規購入した1テラの HDD で、空きスロットを全て埋めた。
4基の内蔵 HDD は次のように目的を区分する。

-----------------------
640G : 起動 OS 及び アプリケーション。
500G : 緊急時起動 OS 及び サンプラー等の音源データ。
250G : 音楽制作の作業用ディスク。
1T : バックアップ。
-----------------------

音楽制作環境のストレージ構成としては、まあまあ理想的。
これに、更に 1テラの外付け HDD を用意して Mac OSX Leopard に装備された自動バックアップ機能「TimeMachine」でのバックアップ用とした。


Mac Pro 4


余談だが、この「Time Machine」って予想外に使える。かく言う私も、すでに2回ほど、過去に旅した。


Leopard Time Machine




てな訳で、成り行きとは言え、遅ればせながら Intel Mac で OSX 10.5 Leopard 環境に移行。
Apple の誇る 先進的な OS Leopard の新機能の数々は、もちろん知識としては知っていた。
前述した「Time Machine」の例もそうだが、実際に使ってみると確かに素晴らしい OS 。
やはり Mac OS は時代の先端に立ち洗練されている。
当方も日常業務では Windows を使用しているが、どちらが優れているかという事ではなくて、自分的に「Cool」だと感じられるのは Mac OS 。


Leopard Desktop



Leopard Finder


ただ、Intel CPU 上の Leopard となると、今まで PowerPC 上の Tiger で使用していたアプリケーションの一部は動作しない。
新しい時代に進むために古い足かせを切り捨てる Apple の潔さは正しいと思う。


とは言え、アプリや周辺機器の買い替えとなるとそれなりに費用も必要になる。
そこで Apple は、環境整備の「つなぎ」として Intel CPU 上で PowerPC 用に書かれたプログラムを翻訳して走らせるというテクノロジー「Rosetta」を、「Leopard」に標準で組み込んでいる。
エミュレーションでは無くどちらかというとコンパイラ的なコンセプトだが、OS 標準の機能なのでユーザーは全く意識しないで利用できる。
ま、Rosetta でも動かないアプリもあるし、プログラムの実行にワンクッション入るわけだから確実に動作は緩慢になる事は否めない。


当方の事情だと、Adobe の Creative Suite あたりは、とりあえず Rosettaで動かすしかない。
Photoshop とか Illastratour はけっこうな頻度で使うのだが、知らないうちに Adobe のバージョンアップ・ポリシーが変わっていて、数世代前の古いバージョンからのアップデートは受け付けられない。
現行の Creative Suite を購入するとなると、最新版の iMac が買えるほどの値段だ。
まあ、プロの Webクリエイターでも無いし、グラフィック・デザイナーでも無いので、多少の遅さはなんとか我慢するしかあるまい。


その代わり、音楽系のアプリケーションは全て Leopard ネイティブにしなければならない。
これは DAW のアーキテクチュア的に、Rosettaと混在させることができないわけで。
旧 PowerMac 時代に使用していたアプリケーションのいくつかは Intel Mac に対応していないアプリケーションもあったので、この機会にアプリも合理的に整理。
全てのアプリケーションを最新版にアップグレードした。
塵も積もれば、けっこうな費用。


DAW は Cubase のみ。この際 Digital Performer とは完全に決別する。
Cubase はここで Ver.5 がリリースされたので、バージョン・アップも済ませた。


エフェクト系としては、この業界に身を置く限り Waves のプラグインは必須。
日常の作業では Waves Platinum Bundle の30種類以上のプラグインに、IK Multimedia 社の T-Racks 等、アクの強いエフェクトをいくつか組み合わせれば必要十分。
Cubase 付属のエフェクトも、それなりに使えるし。


VSTインストルメントとしては、サンプラーの業界標準的な Kontakt を筆頭に FM8、KORE という Native Instruments 社製品に加え、IK Multimedia 社の SampleTank、Sonic Synth、Miroslav Philharmonik、Sample Tron、Sample Moogという Total Wrkstation Bundle
KORG の 往年の名機を再現した「Legacy Collection」は Analog Edition と Digital Edition の両方を所有しているが、当方の年代的に M1 とか PolySix とかは、直感的に使えて重宝している。
目的が明確であれば、レガシーとは言え十分に実用的。


ドラム系は、ここで Battery を切り捨てて、Toontrack 社の Superior Drummer 2 をメインとした。この4月に追加音源もリリースされたので、更に自由度が広がったし、
Steve Gadd のサンプルとかの過去の Battery 資産は Kontakt で読めるので、Battery が無くても無駄にならないし。


ギター系は IK Multimedia 社の Amplitube シリーズと、Native Instruments 社の Guitar Rig という両横綱を使い分け。
当然両者とも最新バージョンを維持しているので、この 2つさえ押さえておけば、時代に後れを取る事は無い。


長らく Intel Mac に未対応だった、ベース専用音源の代名詞 Spectrasonic 社の「Trilogy」も、この6月頃には後継の「Trilian」のリリースがアナウンスされている。


以上を中心に、ループ系の音源を若干加えて、制作環境を立ち上げた。
AKAI時代から引き継いできたサンプラー用の各種音源ファイルもそれなりのボリュームであるし、外部ハードウエア音源も多少は残してあるし、廉価版とはいえそれなりに使えるキーボードも2台あるし、自宅での音楽制作用途としては必要十分か。


作曲・編曲家としての譜面書きには かなり古いバージョンの Finale を使ってたが、さすがにこれは Rosetta でも動かない。
Sibelius への乗り換えで迷ったが、やはり日本でのサポート体制を考えると Sibelius には不安がある。
で、大枚払って、最新の「Finale 2009」に移行。立場上、やむを得ない投資と自分を納得させた。


ふう。

そんな気は無かったのだが、結果的に、この1ヶ月で自分自身の制作環境を一新させた。

最新のドライバが使えるように、プリンタまで買い換えた。
オーディオ・インターフェイスは、まだ MOTU 828mk2 が生きているので、敢えて 828mk3 にリプレースする意味も無い。
ただ、この流れでは、そのうち 828mk2 も足並みを揃えて昇天しそうな予感で怖い。

なんだかんだで、総計では安い軽自動車が買える程度の出費になってしまったが、まあ、今後5年というスパンで考えた場合は、経費的にもタイミング的にも妥当だったかもしれない。
自分自身が成長し、前に進むためには、弛まざる変化が必要。
米国の新大統領の受け売りではなく、これ、昔からの持論。


なんだか Early 2009 Mac Pro の話を書くつもりだったのだけど、自分の新環境の紹介的な内容になってしまった。
Early 2009 Mac Pro のインプレッションを期待した人、ごめんなさい。
まあ、個人的な記録ということで、ご容赦下さい。


さーて、どうやって金を工面すっかなああ。

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