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不思議な時間

個人的な訳があって、文京区にある東京カテドラル聖マリア大聖堂に行って来た。
実は数年前にも足を運んだことがあって、今回は2回目の訪問。

当方はあらゆる宗教とは無縁だし、当然ながらカトリック信者でもない。
よって当地への訪問に宗教的な意味は全く無い。
ただ、その日、どうしてもそこに行かなければならない理由があった。

Cathedoral 1



建築家丹下健三(フジテレビや都庁の設計者)の設計による大聖堂は建築物としては確かに素晴らしい。
外観は8枚のHPシェルで作られていて、天井部分で十字架をえがく形になっている独特の構造。


Cathedoral 2


内部の荘厳な雰囲気も、確かに心が洗われるものがある。
打ち放しのダイナミックな空間は圧巻だ。
中央の十字架の背後は、ステンド・グラスではなくアラバストル大理石をはめこんだ梯子状の窓になっており、祭壇背後から柔らかい光を聖堂の中に投げかけ、神秘的な陰影を形造る。


Cathedoral 3

Cathedoral 4


その中で、正午から午後1時まで、静かに1時間を過ごした。
そうしなけれがならない理由があった。
広い聖堂の中には自分ひとり。
ちょうど誰かがパイプ・オルガンの練習をしていて、その柔らかいけれど決意のような力強さも感じる音色だけが空間を満たしていた。


Cathedoral 5



オルガンの音の塊は重厚でありながらも、どこまでも透明であり、パイプを通る風の息使いすらも感じられる。
本物のチャーチ・リバーブが全身をつつみこむ中で、静かに目を閉じる。
過ぎて行った時間がゆっくりと浮かび上がる。
自分の心の中の、一番奥の、結晶のようなものに触れたのかもしれない。

それは多忙を極めている毎日の中で、現実から離れたなんとも不思議な時間だった。

外は初夏を感じさせる陽光が降り注ぎ、気持ちの良い風が吹いていた。
その風の中で、煙草を1本。
吐き出した煙とともに、自分の中の何かが風に舞った。
その瞬間、何かが変わったのかもしれない。
いや、変わったのではなく、変えられないものを確信し、それでも前に進む事を選択したのかもしれない。

Cathedoral 6


もう2度と行く事は無いと思うが、東京カテドラル聖マリア大聖堂への2度の訪問は、自分の生き方に少なからず影響を与える体験ではあった。

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