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M50 に KORG の本気を見た

当方、後先考えずにギターアンプを買う男という異名を返上して久しいが、現在は後先考えずに廉価版キーボードを買う男として認知されつつある。

で、KORG M50 買いました。


KORG M50


最も安い61鍵モデルでも定価12万円、ピアノタッチの88鍵だと21万円以上してしまうので、廉価版と位置づけるには微妙な立ち位置だが、コストパフォーマンスの観点から見た場合、驚くほど安い価格設定であることは間違い無い。
当方、中を取って73鍵モデル、定価16万円を実売価格12万円程度で購入。
こちとらギタリストだし61鍵で十分とは考えたが、意味無くちょっと奮発した。

KORG M50 - 73

M50-61とM50-73にはセミ・ウェイテッドの新ナチュラル・タッチ鍵盤が搭載されている。
この鍵盤がけっこう良い。
素人の私にも判る弾きやすさ。
とりあえずは KORG の X50 や Roland の Juno-D と比べたら雲泥の差と言っておこう。
音色に対する鍵盤のマッチングが心地よいのだ。
ベロシティ・レイヤーされているローズの音色など弾いていると、指に吸い付くような絶妙の鍵盤タッチでトーンが変化し、シンセ鍵盤を弾いている事すら忘れるほど。


音源システムは KORG のワークステーション型 PCM シンセの現時点でのフラグシップ・モデル「M3」と同じ EDS (Enhanced Definition Synthesis)を採用。
PCM ROM 容量も 256MB(16ビット・リニア換算時)と、X50 の64MBの4倍。
ステレオ・サンプルも含み、80オシレーターとベロシティ・レイヤーも余裕でこなす。
しかもスリム、コンパクトな軽量設計で M50-61が 6.8kg、M50-73 で 8.2 kg、ハンマーアクションの M50-88 ですら 20.8kg。
この軽さは驚異。


その昔、ご多分に漏れず YAMAHA DX7 には憧れた。
20年以上前、まだ満足な稼ぎも無いギター弾きが、自分の専門楽器以外に30万円近傍の出費をすることは不可能に近い。
それでも清水の舞台から飛び降りる覚悟で資金を確保した時に Roland からいきなり D-50 が発売された。
その LA音源の斬新なコンセプトと 出音のリアルさにぶっとんだ事を鮮明に記憶している。
大枚20万円を握りしめ楽器屋に出かけ、その店頭で新製品 KORG M1 を発見し、何気なくプリセット1番の「Universe」でコードを押さえた瞬間、思わず店員に口走った。
「これ下さい」

そうです、私のファーストシンセは KORG M1 だったのです。

あの「Universe」という音色は衝撃だったなあ。
それ以後、すぐにMIDI全盛期が訪れ、当方も短期間のうちに D-50、DX7II と揃えた。
一時期はキーボード4台に加え、音源ラックには10台以上のシンセが鎮座していた。
シーケンサーは YAMAHA の QX3 と NEC PC98上で走る懐かしの ReComposer だったっけ。
ミキサーやアウトボードやら6畳間の部屋は機材であふれ、机の前に座ると身動きができないほどだった。
再度断っておくが、こちとら一応はギタリストだったわけで。
とにかく、そんな時代だったのだ。
As Time Goes By.

KORG M1

M1 は1988年にシンセサイザー+シーケンサーというコンセプトを取り入れた初のワークステーション・シンセサイザー。
使い勝手の悪いシーケンサー、下品なほど派手なパッチ、いちいちレベルを下げないと現場で使えないほどこれみよがしなエフェクト。
それでも、十分に魅力的なキーボードだったのだ。
実際、当時の日本のポップス界が M1 の音色で溢れたほどだ。
実は今でも(モデリングで)多用してしまうほどの個人的ルーツでもある。


その M1 発売20周年記念モデルとして2008年に発売されたのが KORG M50。
つまり、当方としては、もともと無視できない製品であったことは事実。


スペックの概略を説明しておこう、
先ずは大型タッチビュー・ディスプレイ。
Trinity Pro を所有していた経験からも実感しているが、KORG のタッチパネルの操作性は抜群だ。
48KHz ステレオ・サンプリングを含む1,077マルチサンプル+ステレオ・ドラムサンプルを含む1,609種類のドラムサンプルで、1ボイスあたり最大8つのステレオ・マルチサンプル、4段階ベロシティー・レイヤーという圧倒的なオシレーター部。
エフェクト構成はインサートに5系統、マスターに2系統、トータルエフェクト1系統の他、テインバーごとに3バンド EQ とランクを超えた充実度を誇っている。
M3 シリーズと同様にドラムトラック機能を備えており、リズムを鳴らしながら曲の構想を練ったり、そのままシーケンサーに割り当ててドラムバートを作成することができる。
プリセットされているドラムパターンは、何と671種類。
まんま Richard Tee なエレピのパッチでは、ちゃんと Steve Gadd 風のドラムパターンがアサインされているところなんざ、涙ちょちょぎれである。
もちろんオリジナルのドラムパターンも作れる。
おなじみのデュアル・ポリフォニック・アルペジ工一夕ーも装備。
動きのあるパッド等で利用すると素晴らしい雰囲気が醸し出せる。
シーケンサー部は16MIDIトラック、最大128ソング、 210,000ノートをレコーディング可能。分解能 1/480 と必要十分。
鍵盤に自由にフレーズをアサインできるRPPR機能を搭載。
各種メモリー管理にSDカード・スロットを搭載。
M50 Editor を使えばPC上で全てのパラメータをエディットが可能。
もちろん 最近の KORG 製品の優位性を決定付けている Plug-In Editor では DAW ソフトウェア上で M50 をプラグイン・インストゥルメントのように扱うことができる。
X50 のレビュー でも触れたが、この Plugin Editor って素晴らしく便利。

当方の感覚的には、これだけの機能なら30万円以上の価格設定でもおかしくない。


まあ今のご時世で、実際にはシンセ内蔵のシーケンサーを使うことは有り得ないので、当方的には「ワークステーション」の意義はほとんど無い。
しかし、それを無視しても、M50 は素晴らしいキーボードなのだ。
この M50、アコピも素晴らしいが、エレピの良さは感動的。
自分的には、それだけで買いだ。
加えて、KORG 特有のシンセ系サウンドの艶にやられる。

当方 X50 でも感動してしまった訳だけど、M50 は次元が違うクオリティなのだ。
5万円程度の差額で、これだけの次元に到達できるのであれば、迷わず M50 を買うべきと断言しよう。
あの有名な「M1ピアノ」を世に送り出してしまった KORG が、プリセット1番にアコースティック・ピアノをアサインしたというだけで、並々ならぬ意気込みと自信を感じるのは私だけでは無いはず。

PCM シンセという、どちらかというと面白味の無いカテゴリーの製品としては、とりあえず無難な即戦力として、広範囲な用途で柔軟に使える事が最大の使命。
その意味では、M50 はレコーディングの現場でもライブ・ステージでも余裕でハードルをクリアする実力を持っている。

素人の当方がゴタクを並べるより、次の動画を見て欲しい。
Musictrack のレビューから M50-61 の動画を転載。
あの氏家氏が「よござんすねえ」と何度もつぶやく気持ちが分かる。


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コメント

そーなんですかー。
お忙しい所、返答頂き感謝です!

ご質問の件、普通にMac(OSX 10.5)に付属するアクティビティ・モニタのものです。
新Mac Proですと、あんなふうに、16本のスレッドが確認できます。

あ、すみません。
「新 Mac Pro 購入と、音楽制作環境アップデート」
のエントリーに書き込んだつもりが別のエントリーに書いてしまいました。

混乱させてしまいましてすみません。

すいません、教えて頂きたいんですが、
cubase上にあるCPUのアクティビティーメーターって、
どうやって表示させているのでしょうか。

OS X付属のアクティビティーメーターとは違って
Cubaseになじんでいる感じなので、もしかしてCubase5付属のものなのかなとも思い、
質問させて頂きました。

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