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エレガットのピックアップ増設とか

タカミネのエレガット DMP111N/NS を入手したことは、前のエントリーで書いた。


このエレガットに搭載されている CT4-DX(DMP) は、現時点ではタカミネの最新のプリアンプであり、2系統のピックアップをミックスできる事が特徴。
タカミネの売り文句は次の通り。

「世界中のトップ・プロから認められているタカミネ・オリジナル・ブリッジピックアップ"パラスティック"に加え、任意のピックアップを接続するデュアル・モードを搭載。
2系統のEQとノッチフィルターにより、それぞれのピックアップの個性を最大限に活かしたイコライジングと任意のミックス・バランス調整により、今までに無いフレキシブルなサウンドを提供します。
通常の1ピックアップ・モードでは2グループのEQをリンクさせ4ポイントEQ&ノッチフィルター×2というプロ用PAコンソールにも匹敵するコントロールが可能となります。
エレアコの最先端サウンドは、CT4-DX搭載のタカミネDMPモデルから。」


TAKAMINE CT4-DX


これ、単体でも販売されていて、定価は35,000円。


で、せっかく2系統のピックアップが使えるので、ピックアップを増設しようかと。

一般的なエレアコはブリッジのサドルの直下にピエゾ・ピックアップが仕込まれているのが普通。


inbridge_piezo2


inbridge_piezo


タカミネ独自の「パラスティック・ピックアップ」と言えども、この仕組みは同じ。
つーか、ナイロン弦モデルの「パラスティック・ピックアップ」って、見た感じ普通のリボン・タイプのピエゾと同じっぽい。


で、もう一系統のピックアップを増設ということになると、常識的にはマグネティック・ピックアップを付けることになる。


Magnet Pickup


圧電効果でボディ振動を拾うピエゾ・ピックアップと、磁場での弦振動を電磁誘導で検出するマグネティック・ピックアップという個性の異なる2つのピックアップをミックスする事によって、状況に応じた様々なトーンを作り出すことができるから。
タカミネからも、オプションで「TriAx Pickup」マグネティック・ピックアップが別売りされているし、アコギ用のマイクは、実はけっこう色々な種類が出回っている。
もともと生ギター本来のサウンドをピックアップで取り出すというのがけっこう難しい課題なわけで、この分野の製品は各社各様の工夫がされている。
40年近く前に当方がギターを弾き始めた頃は、生ギター用のピックアップなんて「エレキ・ギターのピックアップをそのまま付けました」的な劣悪なものしか無かったのだけど、この分野でもテクノロジーはきちんと進化しているわけね。
例えば前述のタカミネの「TriAx Pickup」のキャッチは次のような内容。


triax pickup

「タカミネのサウンドホール・ピックアップTri-Axは、弦の振動ばかりでなくボディ振動をキャッチするTRIAXAL DYNAMIC ECHNOLOGYを搭載。
従来のマグネチックピックアップでは再生不可能だった幅広い周波数に渡る倍音域までを出力します。
外来ノイズに強くウォームなコインバッテリー駆動のアクティブ・ポジションと、いつでも簡単に使えるパッシブ・ポジションの切り換えが可能です。
最新のCT4-DXプリアンプに接続する専用ケーブルも同梱、タカミネ伝統のパラスティックピックアップとのデュアル・システムでサウンドの幅が広がります。」




ちなみに、この分野で有名なのは FISHMAN 社だろう。
ピエゾ・ピックアップやマグネティック・ピックアップとプリアンプやジャック類まで含めた、アコースティック・ギターのトータルなピックアップ・システムとして様々な製品がリリースされている。

さて、当然ながら金属ではないナイロン弦の場合は、マグネティック・ピックアップは使えない。
となると、増設するピックアップも、ピエゾ・タイプしかない。
ギターのボディ内にコンデンサー・マイク等を付けてしまうという強引な手法もあるけれど、ハウリングの問題とかで素人レベルでは現実的ではない。

つーことで、普通に市販されている、ピエゾ・タイプのコンタクト・ピックアップを取り付けることにした。
これは、サドルの下に仕込むのではなく、ギターのボディーの任意の場所に、ピエゾ素子を貼りつけるという単純なもの。
ギターの表面に貼付けているギタリストもいるけど、普通は見た目の事も気にして、ボディの内側に貼付ける。


fishman-sbtcla

原理は単純だけど、これはこれで、きちんとした実績のある手法。
最近の演奏スタイルで流行のボディ・ヒット音を拾うには最適なので、わざわざインブリッジ・ピエゾをコンタクト・ピエゾに変えるギタリストもいる。


しかしながら、今回の場合、インブリッジのピエゾに加えてコンタクト・タイプのピエゾを増設するというのは、つまるところピエゾ素子を付ける場所が違うだけで、トーンのバリエーションにはそれほど貢献しないだろうと予測できる。
その意味ではモチベーションはぐっと下がるのだが、当方の性格的には機器増設の為に存在する端子を遊ばせておくほうが精神的なストレスになるわけで。
我ながら、堪え性の無い、しょーもない性格。


早速、市販のコンタクト・ピエゾ・ピックアップを調べてみたところ、前述の FISHMAN 社をはじめ、似たようなものがゴロゴロ売られている。
大抵はギターに取り付けるジャックやプリアンプとセットになって売られている。
しかし今回の用途では、もともとのギターにプリアンプもジャックも付いているので、単にギターに貼り付ける圧電素子部分だけあれば良い。
DMP111NC に搭載されているプリアンプ CT4-DX(DMP) の入力端子は、何故か RCA ピン・ジャックだった。
よって、理想としては、「端末コネクタがRCA ピンプラグのコンタクト・ピックアップ単体」となる。
この条件だと、当方の根気の無い検索作業では皆無に近い事が判明。

まあ、RCAピンプラグ単体を用意して電線加工する程度は素人半田でも15分もあればできちゃうし、その手の加工業者も存在するのだが、そもそもそういうプロセス的な作業に対するモチベーションが下がっているわけで、「手間をかけずに有りもので済ます」事しか考えない。

で、最終的に購入したのは、これ。


Morris CP-3

MORRIS 社から発売されている「CP-3」というコンタクト・ピエゾ・ピックアップとエンドピン・ジャックのセット。
エンドピン・ジャックは使わないし、ちょっと割高の4,500円なり。
コンタクト・ピエゾ・ピックアップとエンドピン・ジャックのコネクタが RCA ピンタイプだからという単純な理由。

Morris CP-3_2

早速ギターに付けてみる。
先ずは DMP111N のボディ内部に搭載されているプリアンプ CT4-DX(DMP) に接続。
当たり前だが、RCAピンプラグをジャックを差し込むだけ。
弦を緩めてサウンド・ホールに手をつっこむのが面倒なだけ。


TAKAMINE CT4-DX_1

下の写真は分かりやすいようにコンタクト・ピエゾ・ピックアップ本体をサウンド・ホールから出した状態。

TAKAMINE DMP111N


で、後はコンタクト・ピエゾ・ピックアップ本体をボディ内部からギター・トップの裏側の適当な場所に両面テープで貼り付けるだけ。
コンタクト・ピエゾの場合、この貼り付ける位置でサウンドが大きく変わる。
最近では低音弦側と高音弦側と2つのピックアップを貼り付けるタイプも一般的。
今回は、2回くらい貼り直して、結局は CP-3 のパッケージにも書かれている推奨位置、ブリッジの中心あたりのボディ・エンド側という場所に落ち着く。
まあ、馴染めなかったら、後でいくらでも位置をかえられるので気楽。
そのへんのホームセンターで売っている、普通の両面テープで付けているだけだから。


さて、肝心のサウンドだが、ピックアップを張り付けた場所がセオリー通りなので、出音にもクセが無く無難なキャラ。
なんとなく乾いたサウンドという印象で、音の深み的な部分では妥協せざるを得ないけれど、低音から高音までのバランスも良く思ったよりも使えそうな感じ。
高音よりの反響感が含まれ、ボディの箱鳴りも感じる事ができる。
このあたりの微妙なニュアンスは、ピックアップを貼り付ける位置や両面テープの材質で、ある程度は補正が可能のはず。
当然だがボディ・ヒットもきちんとひろう。
加えて CP-3 って、こんなチャチな見た目なのにけっこうなゲインがあるので驚いた。
パッシブだと厳しいけど、まともなプリアンプをかませば、これだけでも使える気がする。


ただ、コンタクト・ピエゾはボディの振動を直接拾うので、ステージとかで音量を上げた場合のハウリングについては不利になるだろうことは十分に予測できる。
まあ、その時はその時でプリアンプに搭載されているノッチ・フィルターで対応するとか、場合によってはインブリッジ・ピエゾのみを出力するとか、潔い割り切りが必要かもしれない。


で、実際にギターを弾きながら内蔵プリアンプ CT4-DX(DMP) のセッティングを試したのだけど、2つのピックアップのバランス的には、インブリッジ・ピエゾが7割~8割、コンタクト・ピエゾが2割~3割程度が良い感じ。
インブリッジ・ピエゾ・ピックアップの明瞭なトーンに、ギター全体の響きをブレンドするって考え方。
まあ、ピックアップ増設によるサウンドの変化をほとんど感じさせない微妙な変化だけど。

この DMP111N というギター、流石にもともとのインブリッジ・ピエゾ・ピックアップのサウンドが良くて、実際はそのままで普通に使えちゃうわけで、今回のピックアップ増設はほとんど自己満足的世界。
でも4,500円の投資効果としては、それなりに満足できる結果。
気分よ、気分。


とにかく、久々のエレガット、かなり気に入ってます。。
「Amplitube 3」の Roland JC-120 の後にコンプを効かせ、薄くコーラスとディレイをかければ、気分はもう Lee Ritenour です。

実はこの1週間で3つもサドルを作ったし。


sadoru2

DMP111N にデフォルトで付いていた牛骨サドルは、12フレットの弦高が 6弦で3.5mm、1弦で2.7mm と、クラシック以外のジャンルを弾くにはちょいと高めだった。


で、当然ながら新規作成。
サドル材としては定評のある、人工象牙「TUSQ」のブランクを買ってきて、シコシコと削り出して制作。


tusq

ブランク TUSQ なんか1個800円程度で普通の楽器屋で簡単に買えるわけで。
職場的にはデジタル・ノギスとかマイクロメーターとかも身近にころがっているし、工具も板ヤスリと棒ヤスリにサンド・ペーパーくらいで充分な作業。
1個は技術部の金属加工のスペシャリストに依頼したところ、平面研削盤まで使って精度を出してきてくれたけど、結局は現物合わせの適当な手仕上げが必要だったし。
参考図面もオリジナルのサドルからラフにアタリをつけたメモ程度で問題無し。

sadoru3

注意しなければならないのは、インブリッジ・ピエゾと面接触するサドル底面の平たん度だけ。
たとえ定盤とかの上でサンド・ペーパーを広げて、慎重にサドルの底面をならしても、手作業ではたいてい中央部が微妙に膨らんだタイコ状になる。
結果的にインブリッジ・ピエゾへの接圧が弱くなる1弦とか6弦で音量が下がってしまう。
だけど、そんなんも後でサンド・ペーパーでポイントを狙って修正を繰り返し週末の1日をつぶす気になれば補正は可能。
それに、失敗したらまた作れば良いのだから、あんまり気にしないでも大丈夫。


で、現在は、6弦12フレットで2.5mm、1弦12フレットで1.7mm程度という、かなり卑怯な弦高。
これに「HANNABACH」の Super Low Tension 弦を張っているので、もはや掟破り的な弾きやすさ。
まあ、この弦はちょっとお高いので、「Pro Arte」の Light Tension あたりでも良いかもしれない。
この弦高だと巻弦を強く弾いた時に若干ビビるけど、当面は気にしない。
そのうちにレコーディングに使う時には、ちょい高のサドルに交換するつもり。


sadoru


ちなみに、牛骨を TUSQ に変えた音的な変化は、すみません、当方には分かりませんでした。
TUSQ のほうがクリアになるとか言われるけど、まあ、ほとんど変わらんわ。

実は、このエレガット用に、電池駆動も可能な小型アンプも買っちゃったもんね。
Roland の「Micro CUBE」。


Micro Cube

この、今となっては15,000円程度で買える玩具みたいなアンプも、まあ確かにおもちゃなんだけど、それを承知の遊び感覚になれれば、とても楽しいオモチャです。
25cm×17cm×23cm、3.3Kgという小ささながら、Roland 伝統の COSM モデリングを搭載しているし、デレイやリバーブといった基本エフェクトも内蔵だし、そこそこの音量も出る。
JC-120 もモデリングされているし、自宅でエレガットの音を出すには必要充分。
歪み系のモデリングなんか使わないし。
例えば中学校の教室程度のハコで、30人~40人程度の客数を前に、アコースティック楽器だけでライブをするという極めて限定的な状況下では、ひょっとしたら使えるかもしれないアンプです。
乾電池で20時間も動くらしいし。
目指すは、美人女性ボーカルとデュオでの、カフェ・ライブ。
ふふふ。


というわけで、ここ1週間は、ほとんどストラトは弾いていません。


earl_trans

昔に買った楽譜の中から Earl Klugh とか見つけて、毎晩エレガットを指弾きしてます。
でも、Earl Klugh のフィンガー・ピッキングのソロ・ギターを真面目にコピーしようと思うと、慣れるまでは意外と難しいわ。
そんな時には気分転換に、弾き語りで Billy Joel とかを口ずさんだりしちゃうわけね。
キーが合わないので、35年ぶりにカポまで買った。
どうした、俺?


でも、最近のハイテク・カポタストは凄いな。
中でも、この G7 という会社のカポは素晴らしいぞ。


G7_capo

値段も4,000円近くするけど、大昔のゴム製カポしか知らない人間にとってはかなり感動的。
発売と同時に全米のギタリストマガジンで金賞を受賞 しただけの事はある。
クラプトンも使っているらしい。


油断していたら、なんとなくスティール弦のエレアコも欲しくなってきた。
それとも、本格的にエレガットをステージで使う為に Godin あたりを導入するか。
これでいいのか、俺?

では、オマケとして、1978年に Earl Klugh が GRP に残した名盤「Finger Painting」のオープニングを飾った「Dr. Macumba」。
1980年代にアメリカでオンエアーされていた David Sanborn がホストを務め毎回ゲストを招いて演奏するTVプログラム「Night Music」より、音質も悪く音飛びとかがあって劣悪なデータだけど、けっこう貴重な動画。
ドラムは Omer Hakim、ベースは Marcus Miller、そして今は亡き Hiram Bullock のギターというファンキーなリズム隊。
ピアノはなんと Joe Sample が弾いている。
さすがに皆、若い。Hiram Bullock もまだ太る前だし。
Earl Klugh も子供のようだわ、つーか、 Earl Klugh って今でもこんな純朴な青年って感じだけどね。
この曲では Chet Atkins ばりのフィンガー・ピッキングを見る事はできないけど、Earl Klugh の代表曲としてあまりにも有名だし、溌剌としてて好感が持てるプレイです。

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