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価値ある衝動買い [Macbook Air Late 2010]

当方、狂信的な Apple 信者では無いのだけど、音楽業界の必然性もあって、昔から Macintosh は一番身近なコンピュータであり、Apple 社というか Steve Jobs が描くビジョンには注目せざるを得なかった。


iPad は少なからず衝撃だったし、製品としても十分に魅力的だった。
しかし、動画を送信するカメラが付いていないこととシングル・タスクという部分で躊躇し、自分的には次期モデルまで待ちという結論に至っていた。
カメラは別としても、11月中にリリースされる iOS4.2 ではマルチ・タスクが可能になるわけで、音楽系のアプリも充実してきたし、そろそろ買い時かもと思い始めていた。


iPhone 4 は危うく買いかけたのだが、諸々の事情で携帯電話は専用端末を手放すことができず、となると iPhone の電話以外の機能に対して3G契約をするという部分のコストパフォーマンスの悪さで、かろうじて踏みとどまっていた。
しかし、こちらも最近になって知り合いの某 SE が「3G 契約をしない」という潔い割り切り方で iPhone を駆使している実例を見て、そろそろ買い時かと思い始めていた。


そんな私が iPad も iPhone も買わずに、いきなりこんなもん買いました。

In_case


さて、なんでしょう?
(タバコじゃないですよ)

そうです。
エントリーのタイトルを見ればバレバレだったけど。

Macbook Air 11

Macbook Air 11

Get the Flash Player The player will show in this paragraph




Macbook Air !


もうね、物欲を抑えきれなかった。
理由は色々つけられるけど、衝動ですよ、完全に衝動買い。
胸をはって言っても良い、今回は衝動買いです、と。
iPad や iPhone さえ踏みとどまった私に、間髪入れずに衝動買いさせるだけの Amazing な製品だったということを。

2010年10月20日、カリフォルニアの Apple 本社、Back to The Mac をキーワードにした「Apple Special Event October 20, 2010」は、次期 Mac OSX 「Lion」 について初めて正式に言及したイベントになったが、全体には地味な印象は拭えなかった。
しかし、その中で Steve Jobs が One More Thing ! と新しい Macbook Air をリリースした瞬間、私の本能と直感が私自身に命令したのだ。
こまけえこたあいいんだよ、とりあえずこれは手に入れろ!と。


次の動画の1時間11分ぐらいのところから、新しい Macbook Air が発表される。



今回の Macbook Air は 13インチ・モデルもリリースされ、CPUクロック、バス速度、そしてバッテリーの容量といった机上のスペックでは 13インチ・モデルのグレードが上ではある。
しかし、このコンピュータの本質的な意義に関わる利便性という側面では圧倒的に 11インチ。
この新しい Macbook Air は 11インチ・モデルであってもディスプレイ解像度では従来の Macbook Pro 13インチ・モデルを凌ぐ。
SSD (Solid State Drive) の威力により瞬時にシステムが立ちあがる機動力で、Macintosh をいつでもどこでも手軽に使いたいというニーズには 11インチ・モデルが相応しい。


11インチ・モデルで SSD の容量が最大の 128ギガ のモデルをベースに、メモリを最大の 4ギガ までカスタマイズし、CPU クロックも上限まで上げて発注。
同時に、外付けの Super Drive と LAN アダプタも購入。
手作りのスリーブ・ケースを発注し、通勤用のバックまで新調した。

もちろん Intel Core 2 Duo の非力さとか、高価さ故の SSD の容量の少なさだとか、光学ドライブが装備されていない不自由さとかを考えたら、いくらでもネガティブな見方はできるだろう。
でも、そんなことは新しい Macbook Air を評価する上では問題にならない。
端的に言うなら、新しい Macbook Air は、iPod や iPhone がそうであったように、時代の指針になりうるデバイスなのだ。


だいたい、常識的に考えて、このスペックのノート・パソコンで全ての仕事がこなせるわけがない。
そんなこたあ、当たり前に判るっしょ。
当方にしても、自宅には 8コアがフル稼働する MacPro があり、最終的には必要なツールが揃ったメインの作業環境で仕事をするのは当然。
新しい Macbook Air は、あくまでもモバイル環境下での簡易的な作業が前提のコンピュータだ。
沸いては消えるアイデアの断片を記録したり、時と場所を選ばず思考を継続させる為のツールであり、リアルタイムに必要な情報を収集し整理し、更にはワールドワイドなコミュニケーションを維持する為のマシン。

もちろん、このような用途は今までのノートブック型コンピュータの延長線上にある。

ところがだ、この新しい Macbook Air は、その先を予感させる。
それは「価値観」であったり「文化」であったりする。
ここから「何かが変わりそうな」気がするのだ。
そう、商業音楽の在り方を創造から流通そして芸術性まで劇的に変えてしまった、あの iPod がリリースされた時のような。
私としては、今回の Macbook Air の本質がそこにあるような気がしてならない。
だからこそ、当方の本能が無条件に命令した。
こまけえこたあいいんだよ、とにかく買え!、と。


さて、そうは言っても、当方の場合に限れば唯一の焦点はリアルタイムな処理が要求される音楽制作に、この新しい Macbook Air がどこまで耐えられるのかという命題がある。


早速に DAW は Steinberg 社 の Cubase AI5 をインストール。
AI5 という制限の多い簡易版ではあっても、外出先でちょっとした MIDI データを作りこんだりするには必要十分。
何よりも、認証に USB プロテクト・キーを使わないバージョンなので、プロテクト・キーの紛失や破損といった余計な部分に気を使わないで済むのが精神的に楽。

音源は、Cubase AI5 に付属の HALionONE に、無償でダウンロードできる VST Sound Collection Vol.1 を追加。
これ、ライセンス的に AI5 で認められているのかどうか確証は無いが、当方の場合は最上位の Cubase 5 の正規ユーザーなので許してもらおう。

加えて、ドラム音源専用で Tonntrack 社 の EZ Drummer。
現時点で当方がメインのドラム音源にしている Superior Drummer 2 の簡易版ね。

シンセ専用音源としては KORG の Legacy Collection のアナログ(MS-20、Poly6、MonoPoly)とデジタル(M1、Wavestation)をインストール。
個人的な好みで Native Instruments 社 の Pro53 も入れておいた。
これ、ご存知のとおり、ディスコンになった今も愛用者が多い Prophet 5 のエミュレーション。

汎用的な PCM マルチ音源としては、サンプラーの大定番である Kontakt ではなく、その軽さとサンプル容量の少なさから IK Multimedia 社 の Sampletank 2.5 を選択。
スケッチ程度の作業であれば、これくらいの音源が揃っていれば十分だろう。

そして、譜面作成の用途では Sibelius 6 をインストール。
最近の私には 絶対に必要なツール だ。


簡易的な作業であれば、これだけの環境でも不自由なく音楽制作に着手できるだろう。
どうせ、最終的には MacPro にデータを移して作業するわけだし、モバイル環境下でサウンドのクオリティを語る意味は無い。

で、どうだ、動くのか?

Macbook Air / Cubase AI5

Macbook Air / Cubase AI5


およそ外出先で行うであろう作業であれば、全く問題ありません。

この画像の通り、前述のバーチャル音源のインストルメント・トラックを 7トラック程度立ち上げての再生を軽々とこなす。
この状態で ASIO 負荷は30%前後。
一応、要所には Cubase AI5 付属のデレイやリバーブもインサートし、最終段に IK Mulitimedia 社 の T-Racks Ver.1(Ver.3 もインストールしてみたが、Macbook Air 11inchでは縦方向の画面解像度が足りなくて、T-Racksのパネルの一部が隠れてしまい断念した)も掛けている。
SSD の採用によってサンプル読み出し速度が劇的に早くなっているのも少なからず効いているのだろう。
ディスク I/O の負荷がほぼ 1/2 になることから、オーディオ・トラックの再生では更に有利になるはず。
つまりフリーズ・トラック機能を使えば、作曲やアレンジのスケッチ段階であれば、実質的にバーチャル音源の立ち上げがボトルネックになる可能性は極めて低い。


外出先ではいちいちオーディオ・インターフェイスを繋ぐのもおっくうなので、Mac 標準の Audio Unit だけを使用し、直接 Macintosh 本体で再生すれば良い。
もちろんサウンドのクオリティとパフォーマンスは下がるが、ヘッドフォン・アウトにインナーイヤー・モニターを繋ぐか、廉価版のパワード・スピーカーを繋ぐだけで、ラフなスケッチ程度の作業なら十分に実用に耐え得る。

つまり、スターバックスでコーヒーを飲みながらネットサーフィンをしつつ、アイデアを思いついた瞬間に作りかけの曲のスラップ・ベースのグルーブを修正するなんていう嫌みな事も、Macbook Air のミニ・ヘッドフォン・ジャックに、iPod で使っていたイヤフォンを差し込むだけで出来てしまう。




更に、ちょっとした出張や旅行で、拠点となるホテルの部屋に3~4日落ち着けるのであれば、モバイル用途のオーディオ・インターフェイス(Steinberg CI2とか)と、電池駆動の小型スピーカー、そして KORG の NanoKey でも持ち込めば、とりあえずは実用的なスタジオになる。


例えばこんな感じ。

Macbook Air Studio

[余談だが、写真にある SONY の小型スピーカーは定価 7,100 円の SRS-TD60 というモデル。
このどーでも良い玩具クラスの激戦区の中においては、ちょっと前に話題になった SRS-M50 を更に進化させて、それなりに低音が聞こえて重宝する。
当然ながら低域の再生周波数を可聴帯にシフトする絶妙なチューンの成せる技であり、その意味では正確なモニタなど出来る訳が無いし定位すら判らないのだが、音色の大雑把なイメージだけを確認したり、ホテルで寝ながら BGM を聞くレベルであれば不満は無い。
大きさも 500ml のペットボトル並みなので、持ち運びも苦にならないし。]





もちろん、本格的に完パケを目指して楽曲を作り込もうとした場合には、やはり今時 Core 2 Duo(しかも低クロック)では無理があるし、メモリが4ギガしか搭載できない点や、I/Oの少なさは致命的。
プロレベルのプラグインを必要とし、サウンドのクオリティにシビアな Mix 作業等は初めから無理と割り切るしか無い。
だいたい、この Macbook Air 上で走る Cubase AI5 に、あえて Waves とかのプラグインを差す意味も無い。
更に、普通のポップスでも本チャンのトラック数は30とか40になるわけで、そこまでくれば11インチのディスプレイでは極端に作業性が落ち、嫌気さえさすだろう。
そもそもそんな事を想定したら、Cubase AI5 だって子供騙しの簡易版にすぎないわけで。
そんな作業をこの Macbook Air でやろうとする事が間違っているのだ。
どうしてもノートタイプの Macintosh で、そういう作業をターゲットにしたいなら、MacBook Pro の15インチ・モデル以上、できれば可搬性を犠牲にしても17インチ・モデルを使うべきだ。
新しい Macbook Air は、あくまでもメインとなる Macintosh の環境の1部を切り取って、「コンセプト」を常に携帯できるという点に大きな意味があるわけで。
現時点では潔い割り切りが前提。
あえて言い切るなら新しい Macbook Air は、今までのパソコンの尺度で測ってはいけない、ひとつのビジョンなのだ。




今のご時世ではスタバだってマックだって、当たり前に Wifi が飛んでいるわけで、Macbook Air を開けば、それこそ0.5秒で世界と繋がれる。
ネットワークの先には、当たり前にクラウド環境があり、手元の Macbook Air があらゆる情報と同期する。
必要に応じて自宅の Mac をリモートで操る事もできる。
Apple の独占的ビジネス・モデルに対する批判は置いておいて、Steve Jobs は明らかに「その先」を見ている。
奇しくも、今日、Apple の iTunes Store に The Beatles がラインナップされた。

昨日、いきなり Apple の Web Site のトップ・ページが更新され、たった一文、「明日、いつもと同じ一日が、忘れられない一日になります」と謎の予告をしていた。
そして、日付が今日に変わった瞬間に、そこに The Beatles が現われたのだ。


The Beatles Meets iTunes


経営危機に直面している EMI の諸々の思惑はあったとしても、これも歴史的な出来事だ。
両者の間にあった大いなる確執を変化させたのも、Steve Jobs のビジョンに他ならない。
Apple の iTunes によって提議された「ネットワーク上で流通するデジタル・ミュージック」という全く新しい価値観が、大いなる歴史と融和し、その歴史を担う潮流として名実ともに確立された瞬間だ。
ちょっと泣けた。
こうやって時代は変わる。


The Beatles Meets iTunes




さて、当方の Macbook Air に話題を戻して、音楽関係以外では、発売されたばかりの Microsoft Office 2011 for Mac をインストールして、ビジネス用途にも完璧に対応させた。
まあ、どう言われようが、これだけはビジネス・マンとしては必須だからね。
今回の Mac 用 Office は良く出来ています。
VBA も復活して、Windows 版との互換性も充分。
確かに Microsoft も頑張っている。

Apple 純正の iChat の他に、Windows ユーザーともビデオ・チャットができるように Skype をセットアップ。
初めからカメラもマイクも内蔵されている Macbook Air なら、ビデオ・チャットも一瞬で起動するから便利。

データとしては iPhoto の写真データを1,000枚程度、HD動画を20本ほど、更には CD 700枚程度(手持ちの半分程度に厳選した)の音楽データとかを放り込んだ。

この状態で、残りの SSD 容量が約 20ギガ ほどある。
この Macbook Air で行うであろう作業を考えた場合、これだけのスペースがあれば全く問題は無い。
万が一にそれでも不十分な状況に直面したら、Mac のディスクトップからワン・クリックでクラウド環境に接続すれば良いのだからね。


11インチ・モデルのバッテリーでの作動時間は公称で5時間。
Flashムービーを見ていると見る間に減って行くが、Microsoft Office で事務仕事をしているだけなら確かに5時間は持つ。
ま、バックの中には電源アダプタが必須ではある。
ちなみに純正の Megasafe 電源アダプタも小さくなった。


新しい Macbook Air を使い始めて、もう2週間以上が経過する。
日々、予想以上の快適性を実感している私である。
とにかく薄く美しいフォルムは、Apple 製品に共通する所有する事の喜びを、一段と強く感じる。
ディスプレイを閉じると瞬時にスリープし、開ければ瞬きひとつの時間で立ち上がる様は、一種の快感ですらあるね。




ちなみに、最近の自宅での制作環境はこんな感じになっとります。
なんかハードウエアが増えてきちゃったな。
これ以外に、ギター関係でも、アンプやらエフェクタやらでけっこうな場所を食っているし。
そろそろ整理すっかな。


My Room

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